NVIDIA Jetson Nano SW環境(Raspberry Pi) [技術紹介]
NVIDIA Jetson Nanoについて平行して既存ボードを利用してソフトウェア開発環境を立ち上げる場合のボード紹介をしていますが、そのなかで日本では比較的広まっていないRaspberry Pi利用について今後の展望を含め紹介をしていきます。
Raspberry Pi 3 モデル B 5,226円(税込)
Raspberry Pi 3 MODEL B
Raspberry Piはイギリスで開発されているボード・コンピューターです。使用しているCPUは昨年ソフトバンクが巨額買収して話題となったARM社のARMプロセッサです。
ARM社はイギリスの会社ですから、このボード・コンピューターがイギリスで作られたのも納得がいきます。ARMプロセッサは、ハイエンドのモバイル機器ではデファクトスタンダードのようにどの機器にも搭載されていますので、当然多くのモバイル機器との相性が良いことになります。NVIDIAがCPUとしてARMプロセッサを選択したのも納得がいきます。
ただしNVIDIA Jetson Nanoに搭載されているのはA57プロセッサ、Raspberry Piに搭載されているのは、A53プロセッサという違いはあります。
今回ご紹介しているRaspberry Piボードは以下のRaspberry Pi 3 モデル Bとなります。A53プロセッサ搭載なので、64-bitプロセッサを利用しています。
ARM純正のプロセッサだと、64-bitの普及したプロセッサではA53、A57のいずれかしかなく、最低でもA53を入手しなければなりません。残念ながら前回ご紹介した、Jetson Nanoと同じA57プロセッサはなかなかありません。今はまだ本格的に開発環境を取り扱う会社にコンタクトを取らないと入手は大変そうです。従って同じ命令セットを採用しソフトウェア互換性を維持していて、比較的入手もしやすいA53のボードシステムで紹介していきます。
Raspberry Pi 3 モデル B 5,226円(税込)
Raspberry Pi 3 MODEL B
ボード・コンピューターとしての主な仕様を紹介します。
・搭載システムLSI
Broadcom BCM2837
・搭載CPU
ARM Cortex-A53 4コア構成1.2GHz
・命令セットアーキテクチャ
ARMv8 (64bit)
・搭載GPU
Broadcom VideoCore IV 400 MHz (3D 300 MHz)
・インタフェース
USB 2.0 ポート×4
GPIO 40 ピン
・映像入力
15ピンMIPIカメラインターフェース (MIPI CSI-2)
・映像出力
コンポジット RCA (PAL / NTSC) , HDMI 1.3 / 1.4, MIPI DSI
・音声入力
I2S
・音声出力
3.5 mm ジャック, HDMI, I2S
・ストレージ
microSDカード
・有線LAN
LAN9514 10/100 Mbps イーサネット
・無線LAN
Broadcom BCM43143 IEEE 802.11 b/g/n 2.4 GHz Bluetooth 4.1, Bluetooth Low Energy
・搭載OS
Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS, Ubuntu, Windows 10 IoT Core
・消費電力
400 mA(2.0 W)(typical)
何かJetson Nanoと良く似ています。もしかすると、Raspberry Piをベースにシステム構成が決められたのかもしれません。目立つ相違点はCPUのコアの違いによる並列処理レベルの差となりますが、ソフトウェア互換性は保たれた環境が容易に準備できそうで、なかなか役に立ちそうです。ただし、搭載OSは32-bitのみだそうですので、Jetson Nanoと同じか確認が必要です。
Jetson Nanoのようにベンダー側が用意する環境は、導入当初は便利ですが、そのうちその環境だけでビジネスするには足りなくなって来ます。要因としては、システムの仕様上の問題もあり得ますし、コスト的な問題や、拡張性の問題も起こり得ます。
そのような場合に備える意味でも代替環境を用意しておくとすぐに新しいプラットホームでの開発を進めることができるので、最初からその用意をしておいて状況を見ながら判断していけるとビジネス的にも成功しやすくなってきます。是非、最初から複数の環境での展開を探っていきましょう。
また、新しい情報が得られ次第更新して行きたいと思います。
2019-04-02 07:26
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